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半年の区切りに――夏越の祓から見える、日本の“二つの祈り”
毎年6月30日には、全国の神社で夏越の祓(なごしのはらえ)が行われています。
茅の輪をくぐり、半年のあいだに積もった“心のほこり”をそっと払い落とす行事ですが、気づかないうちに抱え込んでいた小さな疲れや不安も、この節目に一度水に流してみるというそんな静かな時間が、残りの半年を軽やかにしてくれるのかもしれません。
そして実は大晦日に行われる年越の祓(としこしのはらえ)というのもあります。
夏越と年越。
この二つが、ちょうど半年ごとに私たちの暮らしを区切ってきたのではないかと思わされます。
大晦日に日本では、神道の年越の祓を終え、仏教の除夜の鐘を聞くというのが風習になっており、あまりそのことに疑問を感じる人はいないかもしれません。
除夜の鐘の鐘の音は、人の心にある煩悩を象徴的に祓うものとされてきました。
神道では「穢れを祓い」、仏教では「煩悩を静める」。
こうした二つの祈りが、長い時間をかけて同じ大晦日の中に重なっていったのではないでしょうか。
さらに言えば、元旦の 初詣 も本来は神道の行事だったと考えられています。
ところが今では、川崎大師や高尾山薬王院、成田山新勝寺など、多くの寺院が初詣の人気スポットになっていますが、あまり神社や寺院という区別なく行く人が多いのかもしれません。
これは長い歴史の中で育まれた神仏習合(しんぶつしゅうごう) の名残なのでしょう。
かつて日本では、神道と仏教が対立するものではなく、むしろ互いを補い合うように受け入れられてきたのではないかと言われています。
神様は自然や土地の守り手として、仏様は心の修行や死後の世界の導き手として、それぞれ役割を分かち合っていたのかもしれません。
そのため、神社に仏像が置かれていたり、寺院に神様が祀られていたり、同じ境内に神社と寺院が並んでいた時代もありました。
人々は、神様にも仏様にも、区別なく手を合わせてきた歴史が風習となっていったのでしょう。
間もなく迎える夏越の祓。
半年の心のほこりをそっと払い、次の半年を軽やかに迎える準備をする時期です。
雨の日には、その一滴がどこへ辿り着くのかを想い、
晴れの日には、乾いた大地を潤す水のありがたさを想う。
そんなふうに、神道と仏教が重ねてきた“祈りの季節”を味わいながら、
静かな折り返しのひとときをお過ごしください。








