逆縁

逆縁

先日友人のご子息が亡くなりました。ご子息が亡くなった友人は、これで3人目。一人目はもう20年ほど前になりますが、20代の一人息子さんがオートバイの事故で亡くなりました。自慢の一人息子で、ご両親の落胆は見るのもつらいほどでした。オートバイなんか買ってあげなければ良かった、と叫ぶように泣き伏せられた姿が今でも記憶に残っています。半年ほど経ってお会いしたら友人はげっそりとやせ細って、顔だちも以前と全く違っていて悲しみの深さに胸を打たれたものです。二人目は3年ほど前でしたが、こちらは長く患ってのことでしたから少しずつ覚悟が出来ていたようで、泣き叫ぶことは無いようでしたが、やはり食欲も落ちたそうで、全身に辛さがにじみ出ている姿に声をかけにくいと感じたものです。今回の友人の場合も、特に奥様が何もしてあげられなかったという贖罪のお気持ちを強くお持ちのようで、せめて墓くらい立派なものを建ててあげたいと、相当の金額をかけられたと伺いました。

それで少しでも心が落ち着いたり、自分を納得させることが出来たら、それも供養じゃないかと思ってね、と友人は自分の辛さを抑えつつ言っていました。

思いがけず発生してしまう逆縁というもの。そうした事態に向き合うことは難しいことだと思いますが、明日自分に起こらないとも限りません。家族とのこと、一日一日のことを大切にしていくことだと思った次第です。

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