大統領就任式が感じさせる責務の重さ

大統領就任式が感じさせる責務の重さ

少し時間が出来たので、アメリカ大統領就任式のテレビ中継番組の録画を見ました。録画時間は解説部分を含めると2時間ほどでしたが、これがアメリカ人の本来の姿だろうと思わせる、晴れやかな中にも厳かな雰囲気を持った素晴らしい儀式だと感じ、飽きることなく全編を見ることが出来ました。

式典は、大統領とともに国の経営を担う人たちの簡潔なスピーチ。有名歌手による国歌の熱唱。聖職者による戒めと励ましの言葉があり、その後に大統領が聖書に手を置いて憲法に忠実であることを主とする就任の宣誓を行ない、続いて大統領としての所信表明を、よどみない自分の言葉でじっくりと、全アメリカ人に語りかけました。この大統領のスピーチはこれから4年間の責務を重く受け止めて、果敢に課題に取り組んでいく決意を、決して声高にではなく、むしろ冷静にかつ明快に宣言していて、言葉の一つ一つに大統領としての覚悟が見えて、アメリカ人でない私の胸にも好もしく響いてきました。

その後に若い詩人によるこれからの時代と人々への期待をうたいあげた詩の朗読が有って、その内容も感動的でした。

見終わってから、日本の首相の交代も、このような憲法に誓うという形で、日本と日本人のためにすべてを捧げるというような宣誓式を行ったらどうかと強く思いました。少なくとも、このような厳かな儀式を行うことで、本当の意味で責務を担う心が出来上がるのではないか、そう思うからです。国民により直接選挙される大統領と、議会による間接選挙で任期も不定の日本の首相では違いが有るでしょうが、国の命運と国民の命を預かるという責務においては同じではないか、そう感じたのは、多分私だけではなかったと思うのですが・・・。

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